人形浄瑠璃「文楽」&人間国宝 [☆舞台(Stage)]
人形浄瑠璃「文楽」公演・昼の部に行きました。
演目は、「卅三間堂棟由来」と「本朝廿四孝」
人形が表現する女心の機微
女心や母子の愛や情を細やかに巧みに操る人形遣い、大夫の語りや節、太棹の音色で醸し出される情感の数々に魅了され、日本伝統文化の奥深さに感動しました 。
人形遣いの吉田文雀さんが出演された「本朝廿四孝」~"十種香の段"で八重垣姫は、後ろ姿で登場してきましたが、まるで人形に魂が宿っているかのように見えました。"奥庭狐火の段"では、狐に憑依され化身する姫の演技は圧巻でした。右手を腰にあて上半身を反らせ、演ずる文雀さんの姿は優美の一言に尽きました。これぞ、『技』というより『業』なのだなと思いました。人形浄瑠璃が三業一体(人形遣い・大夫・三味線)といわれる所以であるのだなとも・・・。
情熱的な「赤姫」~八重垣姫の打ち掛けや武田勝頼の装束も絢爛で素敵でしたが、「卅三間堂棟由来」~お柳が柳の精に戻る時の着物の柄・白地に柳の模様は、悲しみを秘めた可憐さがあり、とても印象に残りました。
(3月4日(木) iichiko音の泉ホール)
「人間国宝」の吉田文雀さん。昨年7月に同じホールで中村富十郎さんの公演「人間国宝~その心と技」を観ました。富十郎さんは今年で81歳、そして、文雀さんは82歳、一歳違いの人間国宝のお二人。公演の中で富十郎さんは、京都で終戦の日を迎えたときのお話など、笑いを交えてなさっていらっしゃいましたが、「技・業」を守り伝承していく真摯な姿に強く心が打たれました。また、『実るほどに頭を垂れる稲穂かな』という姿勢に感銘を受けたことを思い出しました。『人間国宝』・・・その名にふさわしい素晴らしい方々・・・機会があれば、是非ともまた舞台を観たいと思います。どうぞお元気で、ご活躍くださいますように!!
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