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「宗方姉妹」救世主はデコちゃん [☆映画(Cinema)]

 「宗方姉妹」は、二女・満里子(高峰秀子)の存在(演技)がなければ、惨憺たる映画だったのではないかと思う。
 古風すぎるタイプの長女・節子(田中絹代)は、夫・三村(山村聰)から「貴様のそこが嫌なんだ」と言われ、理不尽に何度も頬をぶたれる。三村は、先生と呼ばれプライドが高い、猫好き。親子猫4匹ほどの世話をしている。妻の実家に住み、仕事にもつかず一杯飲み屋で酒をあおる。
 そのうえ「女房なんてものは衆愚の代表、重宝な道具だ、呼び鈴だ、洗濯板だ」とほざく三村、最期まで嫌悪感しかなかった。女性が結婚すると「法律上は無能力者」とされる明治民法(連続テレビ小説「虎に翼」を見て知った)は、とうに終わり新憲法が施行されているはずなのに。三村は男女の平等を認めることができない。戦前に取り残された、時代遅れの憐れな男なのかも・・・。
 
ところで、そんな暗い影の漂うスクリーンの中で
救世主はデコちゃんこと、高峰秀子
高峰秀子.jpg
 父・宗方(笠智衆)が、満里子をからかう。「なりばかり大きくてなかなか勇敢だよ、ハッキリしたもんだよ、今舌出すよ」「出さないかな今度は」「出るんならもう出ていい時分だが」と言われ・・・口を尖らせてみせる。そして、隙をみてお茶目にベーッと舌を出すという、可愛らしいしぐさ。
 男前の田代(上原健)のパリ時代の友人という有閑マダムの真下頼子が、気に入らないので意地悪をする満里子。
 「お酒は灘に限るって」と言ったり、元特攻隊の前島に「飲め、のめプロペラ」とはやし立てる。
 デコちゃん、最高
 
 節子が「京都の山ってどうして紫に見えるのかしら」というと、満里子は口をぱくぱくさせて「パクパク お汁粉の色みたい」ふたりは笑って「THE END」となった。
 
 父の宗方は胃がんで、お酒を飲みながら節子に「もうあといくらもないんだよ」という(お酒のお銚子の中身のことではなく)。「お父さん、もう長くもなさそうだ」とつぶやく。苔寺で見た「椿の花がひとつ苔の上に落ちていた」~「昔から日本のものにもなかなかいいものがあるよ」と話す場面が心にしみた。
 
 節子は「自分に嘘をつかないことが一番大事なことだと思ったの」「ほんとうに新しいってことは、いつまでたっても古くならないこと」と言った・・・。節子は田代に別れを告げ、ふたりの仲は終わったと分っていても。小津安二郎監督の作品としては、なんとなくまとまりに欠ける感じがしている。

銀幕の女優たち [☆映画(Cinema)]

 小津安二郎監督作品の妙齢(当時なら結婚適齢期)の娘役、昭和の「銀幕の女優たち」は、艶やかでキレイな方ばかり。しかも、主人公よりも華やかで目立ってしまうことが多々あり。
 代表格は、「秋日和」の秋子(原節子)の娘(アヤ子)の友人・佐々木百合子(岡田茉莉子)。娘・アヤ子(司葉子)をすっかり食ってしまっていたよう・・・。
岡田茉莉子1 (2).jpg
寿司屋の娘は、とにかく可愛い。
 会社を午後から早退して、おっさんトリオと直談判。おっさんたちを手懐ける。
岡田茉莉子2.jpg
披露宴出席時の素敵なドレス
花嫁さんより綺麗だったんじゃないの!
 
 そして、「麦秋」の紀子(原節子)より、友人・アヤ(淡島千景)のほうが、初々しくて可愛いらしいと思う。(単なる好みの問題かもしれないけど)。
 
 完全に主役たちを食ってしまっていると思ったのが「彼岸花」に登場する、京都の旅館「佐々木」の女将(浪花千栄子)と娘の幸子(山本富士子)。
 
 このふたりは最強。女将の長話に対抗して、廊下に「早く帰って」と逆さ箒のおまじないをかけても、もとに戻してしまうし・・・。
 山本富士子の笑顔と和服姿のたたずまいの美しさ。「有馬稲子と久我美子」のふたりが束になってかかっても、太刀打ちできない。山本富士子というお山の存在感で、可哀そうなくらい影が薄くなってしまっている。
 
映画冒頭の結婚式場のシーンに映っている
「富士山」の絵
山は富士.jpg
実は、この作品は「山本富士子さんの映画」になってしまいました。
なんて感じの予告とも、とれてしまうような・・・。
(映画オープニングの松竹「富士山」とは別物で)。
 
 
「秋刀魚の味」の娘・路子(岩下志麻)は、友人が出てこなかったからか、向かうところ敵なしの美しさだった。
 
「秋日和」に登場する会社「三和商事」
そこの事務員役(岩下志麻)
岩下志麻.jpg
清楚で可愛いよーー!!
この時、すでに監督の目にとまっていたのね。
大女優への片鱗をうかがわせます。

東京暮色「原節子とマスク」 [☆映画(Cinema)]

救いようのない結末を知っているので
みるのを避けてきた小津安二郎の映画
「東京暮色」
 
長女:孝子(原節子)の母親に対する強烈な嫌悪感
二女:明子(有馬稲子)は、愛想笑いひとつ浮かべぬ仏頂面
父親(笠智衆)の不甲斐なさ
なんとも暗く、重たい映画
 そんななか、面白い点を探したらけっこう出てきました。
 
深夜喫茶で妹が補導され、警察へむかえにゆく孝子(原節子)
「マスク」姿は、風邪予防と防寒対策を兼ねていると思いきや
東京暮色2.jpg
 不倫の末、父と別れて家を出た母親(山田五十鈴)を尋ねるため、日中に五反田の雀荘へ向かう時も「マスク」姿であった。
ということは「変装のたぐい」になるような・・?
「原節子とマスク」
なにやら妙に艶めかしく見える。
そして、マスクをしたほうが、かえって目立ってしまう原節子
 
せわしない叔母さん(重子)役がお似合いの杉村春子
半ば強引に二女(明子)のお見合い話をすすめる。
東京暮色1.jpg
 お相手は「顔の鼻から下にかけてが、錦之助(当時は中村錦之助)に似ている」らしいというお話。この映画では、叔母のすすめた錦之助に似たお見合い相手とは会うことすらできなかったのに、実生活では、萬屋錦之介(中村錦之助)の最初の妻となった、有馬稲子。この映画で二人は引き合わされたという訳ではないかもしれないけれど・・・たいへん、興味深い。昔は、映画スターの結婚といえば、週刊誌が大きく取り上げたことでしょうから、この辺の話題もきっと出たんじゃないかしら・・・。
 
 「ラージポンポン」「アプレ(アプレゲール)」なんて言葉(死語)は、今どきの若い人は皆目わからないはず。わたしも、「チャンソバ屋」って一瞬「?」だったし・・・。警察署で「女の腰巻なんか盗んで、どうするんだ~」などと取り調べを受けていた男には、大いに笑わせてもらいました。腰巻といえば「早春」で母親(浦辺粂子)に「おッ母さん、腰巻下がってますよ」と言う、息子の康一役だった田浦正巳が、明子の交際相手の木村だった。簡単服(あっぱっぱ)に、シミチョロ(死語)だと思っていたら、まさかの腰巻だった・・・。浦辺粂子は小料理屋(小松)の女将役で登場していました。
また、「お早よう」で、謎の念仏を唱えたり、押し売りを撃退するユニークなお産婆さん役だった三好栄子が、女医さん役で出演しているのを発見できました。
 母親(山田五十鈴)の哀愁漂う演技、可哀そうな母の姿に心が痛んだ。
 陰鬱で暗い映画にもかかわらず、巧い俳優さんたちの出演と小技の効果で、救われた感じがした映画でした。

たくあん談話 [☆映画(Cinema)]

『たくあん談話』
原節子・たくあん.jpg
映画「晩春」の紀子(原節子)
「(ところが)あたし、ヤキモチ焼きよ」「だって、あたしがお沢庵切ると、いつもつながってるんですもの」
 
 コロナ禍前のこと。地域の集まりがあって、おにぎりを作ったり、お沢庵を切ったりすることがあった時、私が「切った、たくあんが繋がってると、ヤキモチ焼きとかいう」と言ったら、年上の奥様方も、誰も「そんな話は知らない」っていうの、ご存じないって・・・。ありゃりゃって感じになった。
 うちの父は、繋がったたくあんを見つけると「お母さんはヤキモチ焼きだから」とニャニャ笑っていたし、母は「急いで切ったからね」とか「包丁の切れが悪いから、包丁研いでて」とか言ってた(父は包丁研ぎが得意だったし)。
 それは、我が家では、日常会話って感じだったのだ。
 
 親友からぬか漬けのキュウリ(切ったもの)をおすそ分けしてもらったことがあって、そのキュウリがつながっていたので、おすそ分けのお礼のついでに「つながってたよ~」と言ったら「あーら、ヤキモチ焼いちゃってたぁ~沢庵が繋がってるとヤキモチ焼きって言うね」と話したこともあったのだ。ほぼ、言い伝えレベルだと思ってたんだけど、世間では一般的じゃないようなのだ・・・。
 
 この「たくあん談話」の出どころは、小津安二郎監督ではないかという説があるような、ないようななので・・・。
 
映画「晩春」DVDにて再検証
「そう、包丁がよく切れないの」
原節子・晩春.jpg
ほぼ、うちの両親の会話ではないか(!!)
 
 小津安二郎監督の映画が好きだったという父だから当然のこと・・・。両親は、小津安二郎作品を見ている年代でもあるし。ふたりの「たくあん」をめぐる会話を思い出すと、映画のシーンがベースになっているようで、微笑ましくなってしまうのだ。映画っていいものだ。
 それに親友もわたしと同様、親から聞いたことなんだろうと思う。「たくあん談話」は、映画によって次の世代をも繋げているような気がする。「繋がったお沢庵」のように・・・。

女囚の掟「完全なる犯罪者への序曲」 [☆映画(Cinema)]

 恐いですねぇ「自ら犯罪に手を染めたわけではなく、主犯の夫が死亡して、共犯とみなされ、ムショ送りになった19歳の若妻。シャバに出る日を迎える9ヶ月後、おぼこかった女は、いっぱしの悪党になってしまっていた」というもの。
 
刑務所に入る時は、しわだらけのコートを着ていたマリー。
私物の預かりで、結婚指輪を係官に手渡す・・・。
女囚の掟・マリー.jpg
 
 獄中で出産するも、無事に生まれた赤ちゃんは養子に出さざるを得ない、横暴な看守の嫌がらせ、仮釈放の面接には失敗するという苦難の末・・・。「盗んだお金は40ドル、ムショ暮らしで払った授業料と思えば、成長できたから元はとれたわ」って感じ。ゾゾっとしました。
 
出所時、丹念にアイロンがかけられたコートを着て
戻された指輪を打ち捨ててしまう、マリー・・・。
 
「完全なる犯罪者への序曲」がはじまったのでした。
 
女囚の掟.jpg
変貌してゆくマリー(エリノア・パーカー)の演技がすごかった。
隔離された「女の園」の人間ドラマ
 
 「セルロイド・クローゼット」に登場する映画なので、「ドライブアウェイ・ドールズ」の関連もあり、鑑賞必至と思いDVDを購入。
 (1950年作品 モノクロ)日本で劇場公開なしとは・・・これからでも、上映してほしい作品です。

「ホールドオーバーズ」クリスマスに誰かを愛する心があれば☆彡 [☆映画(Cinema)]

  映画館で予告編をみたら、バッドフィンガーの「嵐の恋」が流れてきた。それに「アメリカン・スプレンダー」でハービー・ビーカーを演じていた、ポール・ジアマッティが出演している。画面の色調も良い雰囲気で面白そう。ということで観に行くことに。
 
最大の決め手となったのは
嵐の恋「No Matter What」
嵐の恋.JPG
愛聴していたシングル(EP)日本盤
(レコードジャケットは行方不明)
「君が何をしたっていいんだよ」
 「僕はいつも君のそばにいたいのさ」
「そう、僕には君が必要なのさ」
時を超えて、いまだに
ズキンと乙女心を射抜く「ラブソング」
 
 劇中では、ただのBGM程度だった「嵐の恋」、当時の懐かしソング「ヴィーナス(Shocking Blue)」「ノックは3回(Dawn)」などもあり〼。
 
ホールドオーバーズ.JPG
 「クリスマス休暇に寄宿舎に居残りになった生徒と教師、そして食堂のおばちゃんの心温まるお話」というくらいの筋書きで、収まらなかったところがよかった。映画を観た後、ポール・ジアマッテイの出ていた「サイドウェイ」と同じ監督だったと知った。「サイドウェイ」は、普通すぎて、わたしには面白味に欠けた印象しか残っていなかったので、映画は、あまり予備知識を持たない方が、楽しめるなと改めて思った。
 この手の学校は普通校と違って、クリスマスは家族で過ごすため、お休みに入るのが早め。だから、クリスマス前に学校で礼拝(ミサ)があって学期が終業。似たような学校出身なので、クリスマスの曲も聴けて楽しかったし、懐かしかった・・・。
 
 当初の居残り生徒5人の中に、ヘリコプターで父親がお迎えにくるお金持ちの息子がいたり、韓国人、モルモン教徒の少年などの設定は、よく出来てると思った。
 ベトナム戦争で息子を亡くした、食堂のおばちゃん「メアリー」の配役が、嘆きの聖母(Black)マリア様で、体型も慈愛に満ちていて素晴らしかった。
 
 生徒「アンガス」の反抗的な目つきが冴えてた。アンガスは、スコットランドの男性名で、「選ばれし者、孤独な強さを持つ者」という意味があるという、なんだか彼にぴったりな名前だと思った。
 教師「ハナム」のガチャ目が、コンタクトで造ってると想像できても、少々やり過ぎでコワかった。観ているこちらも「どっちの眼?を見たらいいのかわからなかった」くらい。
 「右眼(Right)」とアンガスに答えた時「(彼は)正しい(Right)ことをしたのだ」とわたしは理解した。 
クリスマスに、大切な人と過ごせなくても
はなればなれが、寂しくても
誰かを愛する心があれば
愛さえあれば、ひとつになれる。
この世界で、会えなくなった人とも
愛さえあれば、ともに生きていられる。
 
[クリスマス]クリスマスには魔法が潜んでいるはずだから

Drive-Away Dolls ≪仔猫ちゃんの運送便≫ [☆映画(Cinema)]

予告編を見たら、2人の可愛い仔猫ちゃん達が
何かの「ブツ」を車で運ぶというロードムービー。
コーエンもんだし、面白そうだなと思い
お馴染みの「一週間限定」上映へと足を運びました。
drive-away dolls.jpg
~2羽のフラミンゴが意味深長~
 『何かいいことないか?仔猫ちゃん』
 
ゲラゲラと笑いっぱなし
すごく面白かったです。
悪趣味といわれても、面白いもんはオモロイのだ。
そして、映画を観終わったあとで、気付くことも盛りだくさんだった。
 
 フラミンゴは、行き先がフロリダ州だからって訳だけじゃないよね?
 ジョン・ウォーターズ監督の作品へのオマージュとしか考えられない。
 赤いウエスタンブーツは、「BLUE  BAYOU」をカバーして歌っている、若い頃はあれこれと浮名を流した女性歌手のことかしら? 
 彼女のLPレコード(アルバム)がテーブルに置いてあったシーン(小道具使いの巧みさに思わずニマニマ)笑っちゃた。ソフトボールが定番だった時代も遠くなりにけりって感じ・・・今はサッカーなのね。
 
 読書好きの仔猫ちゃん「マリアン」は、つい言葉尻を捉えてしまう~「監獄(Prison)じゃない、拘置所(Jail)よ!」と言って大笑いさせる、ありがちな文学少女タイプ。かたや「ジェイミー」は、行き当たりばったりだけどチャーミング。「ジェイミー」の元カノの「スーキー」は、コーエンお得意の警察官スタイルで登場し、「よっ、待ってました~!」ってな感じ。
  
 ジョン・ウォーターズ監督は出身地がメリーランド州のボルチモア。そして、仔猫ちゃんたちが運んでいたブツに、もう一人のボルチモア出身者の奇才「フランク・ザッパ」が、深く関連していたということがエンドロール手前で判って「えっ!!」だったので、感慨深くもあった。
 ブツの正体が露わになったときに「ジミ・ヘンドリックス」を思い浮かべていたんだけど・・・・なははー~!。
 奥が深いというか、なんちゅうか。おサイケな時代のロック・サブカルチャー度が高いときてる。でも、分からなくても大丈夫、馬鹿々々しすぎて面白いから。
フランクザッパ自伝.jpg
この本をお読みの方は、ご存じのアレが・・・登場。
 
 「フランク・ザッパ」もしくは「ジョン・ウォーターズ」がお好きな方は、存分に楽しめる作品。堅物さんには笑えない類のもの・・・ご注意あれ!。
 
 ≪仔猫ちゃんたちの運送便≫
何を運んだかは、観てのお楽しみといったところ。
 
『I Got My Mojo Working』Joyce Harris
パンチの効いた歌声でカッコイイ!!
最近のお姉さんかと思いきや、1961年の録音ですって!!


髪に花を飾って◎モンタレー・ホップ◎ [☆映画(Cinema)]

『モンタレー・ポップ』一週間限定で一日一回上映

 「サンフランシスコへ行くならば、忘れないで花の髪飾り」
モンタレー・P.jpg

 「花咲く音楽の宴」
「ゴキゲン音楽が、てんこ盛り」
 
 午後から映画を観に行く日の朝、「髪にお花を挿していこうかな~?」とつぶやくわたし。「いいんじゃないかい。」と言う相棒。ちょうど、庭にはオレンジ色の「クリビア(君子蘭)」、ピンクの「平戸ツツジ」と「ローズゼラニウム」、紫色の「バビアナ」、白い「イベリス」が咲いている。ベルベットのような風合いの「バビアナ」はサイケデリックな雰囲気がする。どれにしようかと迷ってしまう~。もちろん、本気じゃないです。そんな花飾りのオバハンが街を歩いていたら、危ないヒトに見られかねないです・・・ハイ。
 
「花の髪飾りの女性客は、鑑賞料金割引!」なんて遊び心のあるサービスがあったらよかったのになと思いました。(女性客が極めて少なかったから、そう感じた次第です。)
 
  ポピュラー音楽が、ポップスからロックやワールドミュージックに移る黎明期を感じ取れました。
 
 アラン・ウイルソンのスライドギターが拝め、少しばかり控えめに熱唱するジャニス・ジョプリンが、初々しかった。ヘルメットを被り、気合の入った、カントリー・ジョーは超サイケでかっこよく、オーティス・レディングの歌に引き込まれた。
 エリック・バードンとアニマルズの「黒くぬれ」は、アバンギャルドなフィドルがたまらなくカッコよかった。グレイス・スリックお姉さまの歌も、もちろん最高。
 全体的に、エフェクターを駆使していないギターの音が、うねりをきかせていた。この時代の小細工なしのストレートな音の響きが、痛快で小気味よくて、ゾクゾクした。やっぱり、生のエレキギターって、こんなに痺れるものなのね(電気だけに・・・)。
 ジミヘンのノイズと紙一重の歪み音ギター。観客に背を向けスピーカーに挑みかかる姿はまるで、天照大御神が岩戸にお隠れになったため、「天岩戸開き」をする「天手力雄命!!」 ギターに火を放つという儀式を通じ、「眩しく差し込む、新しいロックの光、その幕開けを目撃した!」って感じだった・・・と、何やかやと楽しみました。
 
ブライアン・ジョーンズに目をひきつけられるのは
憧れの君(ロックスター)だから、しょうがないです。
ブライアン・ジョーンズ・モンタレー.jpg
「もっと、映してほしい!」と心の中で叫びっぱなし。 

「ブライアン・ジョーンズ」在りし日の姿を求めて [☆映画(Cinema)]

小学生(9歳)の頃
ザ・ローリング・ストーンズに惹かれて
初めて心をときめかせた「ロックスター」が
「ブライアン・ジョーンズ」
 
見た目に魅かれるのは、少女の常というものよ。
ファッションセンスもスタイルも良くって
断トツ、カッコ良かったんだもん。
ブライアンジョーンズ.JPG
ということで、「ブライアン・ジョーンズ」
在りし日の姿を求めて
 映画「ROLLONG STONE ブライアン・ジョーンズの生と死」を観に行きました。こちらも一日一回、一週間限定の上映。最近は、短期決戦の映画鑑賞ばかりでございます。
 
ドキュメンタリーだから、「映画」とは言い難いですが
「映画」としては、面白くなかったです。
 
 動かない(写真)ブライアン・ジョーンズが多かった。既に見たことのある映像の使い回しもあり。例えると年代物(ビンテージ)の古布を使った「パッチワーク作品」。新しい布と古布とを繋げて仕上げているから致し方ないけれど、古布の配置バランスがよくない。ロックスターとして、光輝いていたブライアンの色調が、ぼやけて、影が目立ちすぎていた。雑な縫い方も気になってしまい・・・わたしには物足りなかったです。
 
ただの不審死なのか?事故死?あるいは殺人事件かも?
何年も取り沙汰されてきた、ブライアン・ジョーンズの死。
 当時を知る者としては「ドラッグとお酒」「プールに沈んでいた」が、ショッキングだったわ。
 
 肺の中にプールの水ではなく、真水(飼い葉桶の水?)が入っていたって。
謎はナゾのまま・・・
死因の記録は、75年間の封印ってことだそう・・・。
 
 犯人と推測される人物もすでに故人、元ガールフレンドのアニタ・パレンバーグなども2017年にお亡くなりになっているし、死人に口なしばかり・・・。アニタがキースといい仲になったからって、女で身を持ち崩すような男じゃないと思うけどな・・・。
 
「ストーンズのレコードを全部持っている女の子は・・・」
のくだり、仰る通りでございます。
 
 元GFのひとり、Zou Zouいわく「アニタには、暴力ふるったっていうけど、アタシにはそんなことしなかったわ。」には笑っちゃいました。「『Satisfaction』が下品な歌だと、毛嫌いしていた。」などの話も・・・。そして、Zou Zouのインタビューは、英語字幕付き(ズーズー弁)。
 
あらゆる楽器を上手く操れる
曲のアレンジに長けた
『器用貧乏』ともいえるブライアン・ジョーンズ。
そのプライドがゆえ、作詞・作曲に手を出せなかったのかも。
 ことに、Blues・Rock 'n' roll に関しては、譜面の読み書きができなかったり、音楽を学んでいない方が、有利な点もあるのかも?と思うの。
彼こそが「ワールド・ミュージック」を世に広めた先駆者
 生きていれば、敏腕プロデューサーになれたのではなかろうかと・・・。
残念すぎる早世。
 
 エンディングロールで「Alabama3」の歌う曲が面白かった。気分転換になって、笑って映画館をあとにすることができました。
「〔I'll Never Be 〕Satisfied 」

ストップ・メイキング・センス [☆映画(Cinema)]

映画館で一日に一回の上映
限定期間は、ちょっと長めで2週間だった
『ストップ・メイキング・センス』
ストップ・メイキング・センス.JPG
約24年振り
映画館のスクリーンで鑑賞いたしました。
 
 前回の2000年は、60席ほどのミニシアター(シネテリエ天神)のレイトショー上映。年月を経て、今回は160席ほどの劇場での公開。とうぜん、大きくなったスクリーンと良くなった音響でのデビッド・バーンの舞台劇付きライブ。迫力と臨場感を味わい、大満足でございました。デヴィッド・バーンの踊り(ダンス)は「コンテンポラリー・ダンス」なんだって、今更ながら気づいた次第でございます。
 
レストアの威力で
24年前と比べたら「雲泥の差、月とスッポン」
 
デヴィッド・バーンとトーキング・ヘッズ
センスの良さに古めかしさは、皆無と再確認。
斬新で、カッコイイまんま。

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