◇背景の違い◇シネコンと単館◆ [☆映画(Cinema)]
ライフワークは「音楽と映画をこよなく愛すること」などと言っている割に、このところ上映中の映画を観に行くことが激減しています。
昨年は午前10時の映画祭で『ブルース・ブラザース』

『ブルース・ブラザース』は、映画館(スクリーン)で何回も嫌というほど観ているし、ビデオもDVDも持っているのに、観に行きたくなってしまうのですから、「音楽=ブルース」と「ジェイク&エルウッド」中毒のようですね、もう・・・(笑) 近年、アレサ・フランクリン、キャリー・フィッシャーと故人がまた増えてしまったな・・・と、しみじみ思いました。
『時計じかけのオレンジ』

『時計じかけのオレンジ』は、画面がきれいになって、新しい発見がいっぱいでした。ボヤボヤのボヤかしが消えてしまうと、ボヤかしてる方が、猥褻性を醸し出してたわね~と思ったくらい。映画館で初めて観た時の衝撃から、何十年も経っているから、当時は目をそむけたくなったものも、年月により感受性も成長しているから平気だし、面白味が増して楽しめました・・・(笑)
あとは、『ロケットマン』と一年に・・・計3本。
今年は、まだ1本も観に行ってない有様。『白い暴動』を観に行くつもりだったんだけど、一週間という上映期間では短すぎて、予定が合わなかったの・・・。ま、こんな時代もあるということなのね。というより、無理やりスケジュール調整するパワーが失せたのかもしれないの。新型コロナウイルス感染症のせいでもないようです。
それと、考えてみるに「シネコン」って、映画を観に行ったり、観た後の背景というものや、借景がないのよね。「単館」だと、映画館に向かう途中の出来事とか、観終わって、外に出たときの風景とか、何かしらの想い出ってものが、存在してたりするけど、「シネコン」は、否応なしに日常的な空間に押し戻された感じがして、とても味気ないなと・・・。
このまま、ゼロの年ってことになるかもしれないけど、いたしかたないかな~。
でも、映画が大好きってことに変わりはないのです。
2020-06-26 09:00
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沈黙~掌のクロス [☆映画(Cinema)]
マーティン・スコセッシ監督の「沈黙」
Silence
映画を観てから、もう一週間ほど経つのですが
余韻というよりは、考えさせられることがいまだに多い。
昨年咲いた我が家の鉢植えチューリップ
花言葉は「博愛・思いやり」
この3人の体当たりの演技、凄かった。
パライソ(天国)に行くことをひたすら願い
懸命に生きていく
貧しい村人たちの信仰心の痛々しさ…。
原作本を読んだ時よりもリアルに伝わって
涙、また涙・・・涙が溢れてしまった。
辿りついた島に何匹もの「猫」
まるで「猫島」、これ監督の茶目っ気??ってシーンがあった。
長崎の猫は、短いしっぽや尾曲り(カギしっぽ)猫が圧倒的に多いのに、ずらりと揃った可愛い台湾(ロケ地)の猫ちゃん達(真直ぐしっぽ長)を見て、つい笑っちゃった。
篠田正浩監督の「沈黙」も観たけど、キチジローが手にした金子(銀)の気になる行方が、丸山花街辺りで遊んで使うという、原作にはない展開はよしとしても、百姓の女房の「モニカ」が武士(岡田三右衛門)の妻と同じ名で、「岩下志麻」というのがアレレ?という感じ。百姓役が似合わないとしても、座敷牢でのラストシーンは、「それはないでしょ!」と・・・。
比較しては悪いけど、ロドリゴの掌にモキチからもらった手彫りのクロスがあったという、スコセッシ版のラストは、とても感動的だった。 ★★★★☆
3代にわたってキリスト教に帰依していた系譜が母方にあり、棄教した吉利支丹の子孫になる私。上司であるお殿様が棄教・改宗したから、さっさとそれに倣ったのか、悩み苦しんだ末の転びだったのかは分からない。でも、ロドリゴやキチジローのように心の中にキリスト教の「愛の教え」を秘め、信じ続けたのではないかと思う。
映画の日 [☆映画(Cinema)]
12月1日は『映画の日』だった
映画割引デーだからといっても、今年もまた映画を観にいかなかったなぁ・・・。
いつからか毎月1日が割引になったけど、水曜日のレディスデーを利用することが多くなってる。
ところで先日、覆面上映会の招待券が当たって、某シネコンに行った。前回は『アリス・イン・ワンダーランド』かも?と思っていたら、大当たりで大満足。どう見てもフランク・ザッパな「タイム」に大笑い。で、今回の予想は『ぼくのおじさん』ではなかろうか?とワクワクして出かけたら・・・
窓口で案内されたのは
「ぼく」は外れてなくてでも、「ボク」で「おじさん」じゃなくて「妻」邦画という点も外れてなかったけどあちゃー「ボクの妻・・〇[×]▲してください」
行ったついでに
併設のモールで買い物し
映画は観ないで
帰ってきちゃった。
主催者さん、ごめんなさいね。
いくら映画好きでも、耐えられないものもあるってことなのよ。
4月に大きな地震が起こり、その後も何度も揺れ(余震とは呼ばない)が続いて、暗い映画館の座席に身を置けるようになったのは、『リリーのすべて』が観たいと思ったから・・・。でも、不安感いっぱいでバッグの中に、大きめの懐中電灯をしのばせてた。
『リリーのすべて』
そして、邦画の「いちばん」は
『団地』
キャロル◆◇めくるめく彩しさ [☆映画(Cinema)]
「キャロル」ってタイトルからして「クリスマス・キャロル」のこと?と勘違いしてました。 テレーズの帽子とクリスマスシーズンから勝手に・・・。でも、テレーズといえば、聖女・テレーズ(リジューのテレーズ)がいますね。

オーストリッチやワニ革のハンドバッグ、ブロンド色したミンクのコートにレイバンと思われるサングラス。ヴィンテージなファッションのエレガントで瀟洒なことといったら!!。アクセサリーの付け方も、ブローチを留める位置など細部にわたって、もう目が離せなかったです。
そして、どの色遣いもがオシャレで
トッド・ヘインズの操る、色合いが彩しい
彩し(あやし)すぎる・・・。
「エデンより彼方へ」をも彷彿とさせる
1950年代のクラシカルで独特のこだわり
私にとっては、「ハァーっ」とため息の連続
めくるめく世界の再現でございました。
途中の展開が「テルマ&ルイーズ」のようなロードムービー風であったのもご愛嬌といえるような・・・。ラストがホープレスでない点が心地よかったです。
だから、トッド・ヘインズが好きなのよっ!!
キャロルの旦那の凄まじいジェラシーが
コワかった
妻の浮気(というよりも不倫)相手が同性の男だったら、ここまでないんじゃないかなぁ?
男が女にジェラシーの図、ぞーっとしたわ。
ところで、母のお下がりの若草色のオーストリッチのバッグの色が、キャロルのハンドバッグと少し似ているものだがら、クローゼットから引っ張りだして、ぶら下げて歩いている私。ただし、本物のオーストリッチではなくて、どう見ても型押しのようだから、「リッチもん」違いだけど・・・気分はリッチなのです~(笑)。
★★★★☆+1/2★
▲∇Dear ダニー 君へのうた∇▲膨らんだ実話 [☆映画(Cinema)]
アル・パチーノが歌う
『 Hey ,Babydoll ♪』
どこかで聞いたことがあるような曲だと思いきや
『Sweet babydoll ♪』って歌詞が飛び出して
「ほぼ『スィート・キャロライン』と言っても過言ではないようだ! (笑)」
Don Wasの名前がクレジットされてたけど
雑で安直すぎる曲作りに
思わず耳と目を疑ってしまった・・・。
ダニーを支える敏腕マネージャーの名前が「グラブマン」
まさか、かの「アルバート・グロスマン」をもじった?
アル・パチーノのロックスター役にも無理があるし
ツアーバスを所有しているあたりは
ロックというよりカントリーシンガー風だし・・・。
さらに、孫娘が多動性障害で、息子が白血病という、いささかてんこ盛りすぎる展開が待ち受けていたわけなのよ~。あ゛ーぁ・・・。
ヒルトンの部屋に飾っていた額の「紅葉」がきれいで象徴的だった。ホテル自前のインテリアなのかな?。
今は亡きジョン・レノンからの届かなかった手紙があったという実話が、膨らみ過ぎて収拾がつかなくなってしまったような印象。
ところで、主人公のダニーという名前は、ビートルズのアルバム「Let It Be」の「One After 909」曲の最後でジョン・レノンが「Oh, Danny boy~」って歌ってるから付けたのかしら??
★★☆☆☆+1/2★
本当のお話のSteve Tilstonさんはリバプール生まれのイギリス人。地味なシンガーソングライターだから差があっても致し方ないかも。
アル・パチーノと本物さんのご対面・・・。
タグ:アメリカ映画
❖ジェームス・ブラウン❖ファンクの帝王学 [☆映画(Cinema)]
ゲロッパ
一度だけジェームス・ブラウンの来日公演を観た。
場所は代々木のオリンピックプール
正式には「国立代々木屋内総合競技場」と呼ぶとか
コンサートが終わるやいなや
仕事が終われば、そそくさと引き上げて行く『ファンクの帝王学』を垣間見た。映画『ヘイル・ヘイル・ロックンロール』のチャック・ベリーのバック・ステージの様子と重なって思わず「よっ!ショー・ビジネスマン!」と呼びかけたくなったっけ・・・。
話はファンクの帝王ジェームス・ブラウンの少年時代から始まるのだけれど、彼の生い立ちは、『辛く・貧しく・哀しく・苦しく』 、親の愛情を渇望しながら不仲な両親に『怯え・うろたえ』・・・両親と離れ離れになってからは、売春宿で育つ可哀相な姿に心が痛んだ。そして、逞しく生きてゆく姿に心打たれた。
私の大好きなルイ・ジョーダンの曲
『カルドニア』が飛び出した!
『Caldonia』
リトル・リチャードのステージの休憩時間を乗っ取り(笑)
このシーンが最高に楽しかった。
中年以降のJ.Bの脂の乗り加減や臀部のお肉のつき方などの不満は無きにしも非ず。とはいえ、『トライ・ミー』の歌声など素晴らしかった。ダン・エイクロイドがユダヤ人のマネージャー・ベン役というところも思わずニンマリだった。
〔ブルース・ブラザース〕
またこの映画を観たくなっちゃった
実は、ビデオもDVDも持ってるけれど
やっぱりスクリーンで観たい!!
★★★★☆
タグ:アメリカ映画
セッション☆彡才能のない奴はロックをやれ?! [☆映画(Cinema)]
『音楽』って、楽しいから音楽だよね
あんなにドラムを叩きまくったら
手に血豆ができるくらいならまだしも
腱鞘炎や椎間板ヘルニアにもなりそう
ストイックなまでに、身体を痛めつけて
あーーーぁ
おまけに教授の独裁体質と加虐性
まるで、『かわいがり』
『才能のない奴はロックをやれ!』
ジャズはロックより高尚ってこと??
ハッハハのハ!
オーケストラのバンドで
フル演奏が観れたのが
唯一の救いかも
デューク・エリントン最高!!ということで・・・。
★★★☆☆+1/2★
タグ:アメリカ映画
$ジヌよさらば~かむろば村へ$ [☆映画(Cinema)]
ジヌよさらば~かむろば村へ 行ってきました

かむろば村の守り神「おがむろ様」
お顔は、にゃんと猫科の動物(白虎?)だとか![[猫]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/101.gif)
![[猫]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/101.gif)
ニャニー?!
![[るんるん]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/146.gif)
![[るんるん]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/146.gif)
おがむろ様の 『魅惑の温泉』 シーンでは
音楽が Quiet Village みたいな
マーチン・デニー風で、よろしゅうございました
そこに浸かる
西田敏行がまた絵になってるし
![[いい気分(温泉)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/147.gif)
![[るんるん]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/146.gif)
松尾スズキ流の笑わせ方、ナンセンス全開!
小技が効きすぎるし馬鹿馬鹿しくて、大笑い
毎度、間延びした役がはまってる松田龍平
頼りない男をやらせたら右に出る者いないかも?
夫婦役の阿部サダヲと松たか子は
『夢売るふたり』の延長線的なゴールデンコンビ![[ぴかぴか(新しい)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/150.gif)
![[ぴかぴか(新しい)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/150.gif)
嫉妬心を秘めた奥さんの怖いこと!
松尾、松田、松とマツのつく三人
そして
舞台出身の凄腕役者さんたちが狂演
ここぞとばかりの怪演をしたおすわ・・・。
ちょっとあげてみれば、ザリガニ・ジョン マルコピッチ・こけし人形・背広姿・クロックス・新巻鮭・三輪自転車・青いビニールシート・ライダースーツ・ナイフ&フォーク・三谷幸喜・ディナーショーのポスター・・・と、ごく普通のものがおかしなものに変身してしまって・・・残像がちらつき、ついプッと思い出し笑い。
危ない、あぶない
★★★★☆
博士と彼女のセオリー◆ブルー・ジェーン [☆映画(Cinema)]
何年か前まで、私はホーキング博士がアメリカ人だとすっかり思い込んでいました。
どうやらそれは、博士が機械を通して話すアメリカン・アクセントの合成音声を聞いたからなのか?・・・ ということがわかりました。
最初の妻となるジェーンと知り合う大学のパーティーで流れる『マーサ&ザ・ヴァンデラス 』の『ヒート・ウェイヴ』
ロマンチックな出会いの予感が感じられて
若き日のホーキング博士は、バディ・ホリーみたいな風貌で可愛らしい。 「ALS」という病気が進行してゆく様子はドキュメンタリータッチで描かれているから、観ている側としても平静でいられた。
夫の介護をしながら、三人の子どもを育てるジェーン、並大抵のことではないから身につまされた。
「看護」と「介護」は全く違う
介護される側はノーマルな家庭と言うけれど、悩みはつきない
Blue ... Blue Jane
青みを帯びたドレスや
空色のカーディガンがよく似合ってた
ブルー・ジェーン
ホーキング博士のことば『生のある限り、希望はある』、勇気を与えてくれる素晴らしい一言に感激しました。ありがとう、ドクター!!
★★★★☆
タグ:イギリス
アメリカン・スナイパー [☆映画(Cinema)]
アメリカン・スナイパー
試写会に行きました
監督・クリント・イーストウッドの『ジャージー・ボーイズ』を観に行くつもりだったのに、結局都合がつかず、 DVDで見ることにしようと思っていたところ、この試写会の案内を目にして応募した。80歳過ぎて一年間に2本も製作するなど、恐るべきパワー。
イラク戦争が題材だから、それなりの覚悟をしていたものの、予想すらできない戦火のもたらす葛藤や悲劇を目の当たりにして心が軋んだ。
『父親たちの星条旗』では、米国の兵士たちには、クリスマス休暇が待っていたりするのに、日本兵たちは厳しい戦いを続けるしかなかったと教えられたし、この作品でも地上戦がいかなるものかを知らされた。
試写会から帰ってから
ノーマン・ロックウェルの『黄金律~Golden Rule』の絵を思い出した。
ポストカードを持っている
心に響く、素敵な絵だけど
ノーマン・ロックウェルにしては画調が重々しい
あらゆる人種や宗教が求めている「黄金律」は同じもの
「平和」そして「愛」
そう問うているのではないかと思う
★★★★☆