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▽▲フェイクがホンモノになるとき▲▽トスカーナの贋作 [☆映画(Cinema)]

『トスカーナの贋作(CERTIFIED COPY)』。話の伏線を肉付けすることと、結末は、観客である私たち個々の、価値観と恋愛感覚に委ねられるという、作品だと思いました。

トスカーナの贋作.jpg
ジュリエット・ビノシュは、一時期、「また、彼女なの?」と食傷気味になるくらい、色んな映画に出ていて、確かにどんな役もソツなくこなせる実力を持っているんだけど、正直なところ、私には、なんとなくピンとこない女優さんだった。本作で、年を重ねて円熟した演技を見るうちに、彼女の良さが、やっと分かってきたよう・・・(好みの問題ですね、ゴメンナサイ・・・)。
 
イギリス人作家と、イタリアに住む子持ちのフランス人の女。二人の成り行き上の「単なる夫婦ごっこ~ロール・プレイング」なのか?、女は、何らかの深い意図をもって作家に近づいていたのか?(彼の予備知識を得ての接近か)、男は、午後9時の便で帰ると、ゲームオーバーを告げたようだが?(女は素直に車で送るか?、男は単身、タクシーでアレッツオまで戻る?)。
詮索し始めるときりがない・・・。
 「フェイクとホンモノ」を真偽する境界線を右往左往。
 
思慮深く、温厚な紳士だと思っていた男が、他人には見せそうにない意固地で、横暴な振る舞いをし、馬脚を現しはじめる。でも、なぜか女は我慢強くロール・プレイングの主導権を握り続ける。当初、二人の会話は英語のみだったのに、カフェを出て路地を歩きはじめると、男がフランス語を喋り始め、レストランでは、イタリア語でオーダーを・・・言語の変化が、私の耳にをも、混乱を誘ってゆく・・・。
 
ふと、夫婦喧嘩なんて、犬も食わないものは、どれも似たようなもののような、気もしたり。ホンモノでも、フェイクな夫婦だっているし・・・。
 
ジェームズを演じたウイリアム・シメルは、イギリスのオペラ歌手で、これが初出演映画だというのには、驚かされた。スリップ・ドレスの紐の下から下着の紐が見える、肩からダブル・ストラップ(紐2本)が出ている様は、中年女の哀愁を出すためなのかしら・・・これ、やり過ぎみたい。
★★★☆☆+1/2

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