嘆きのピエタ□■□慈愛の輝き [☆映画(Cinema)]
象徴的に映し出される、『ハレルヤは永遠なり』という教会のサイン、「主の栄光」「永遠なる神の愛」というような意味もあるのでしょうか・・・。
憎しみと憐れみの板ばさみ
そして、子を想う母親の慈愛は、輝きに満ちて
嬰児の自分を捨てた母親だと名乗る、薄っぺらいシフォン地のような真紅のスカートをヒラつかせる女(オンマ)。
親の顔も名前すらも知らないで育ったという生い立ち。愛されたことがないから人を愛することができないということか・・・夫婦、親子の情愛も理解できず、ひたすら粗暴で冷酷な男(ガンド)。
ソウルの片隅、金属加工の町工場が立ち並び、不況と再開発の煽りからなのか?借金まみれの人ばかり?。高利貸しの取立てに追われながら、夜逃げもせず自分の身体を借金のかたにする人が続出?。 保険会社は保険金目的の事故(詐欺)だと思わない?。警察は何をしてるの?と、いくつものツッコミどころもあったけど。
機械や工具が虚ろに無気味な影を落としたかと思えば、神々しく光って生き生きと映し出されたりもして・・・その長けた扱いは元工員という経歴が成せる業なのか。
赤鶏が一羽、鰻が一匹、ウサギが一羽
キム・ギドクのこういう手練手管に弱い私
夜明けのハイウェイを走るトラックは、まるでゴルゴタの丘を上っていくようにも見て取れ、さもありなんな結末に驚くことはなかった。手元にティッシュとハンカチを用意をしていたけれど、悲しくて泣くこともなく。泣き虫な私も涙ひとつこぼれず。
でも、映画を思い出してその夜は、なかなか寝付けず(カフェインの摂りすぎも?)、母親の愛の深さ、慈愛の輝きに涙がハラリと頬を伝ったのでした。どうやら、あとから効いてくる一撃を受けてしまい、心が軋むように痛んでしまい・・・。
★★★☆☆+1/2★
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