The Artist
スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』は、メリエスという魔術師を取り上げてSFやファンタジー映画の創成期を勉強させてくれました。そして、この作品では、「芸達者」な"アーティスト"のジョージ・ヴァレンティンを通して、劇場的なエンターテインメントな面をもつ映画の魅力を再認識させてもらいました。
 

 
ジョージのアドバイスでつけたホクロが、功を奏したのか、大女優への階段を駆け上ったペピー
 好運のBeauty spot=つけボクロ
 
一方、サイレント映画からトーキーへと・・・順風満帆だったシネマの船は時代の波に乗れず座礁、取り残されたジョージ。いくら芸達者といっても、アーティスト特有の自惚れとプライドの高さが邪魔をし、栄光のあとの挫折で苦悩し、失意のどん底・・・お決まりの筋書き。
 
そんなジョージをBeauty spotのペピーが救うという他愛のない話でいて、心が温まり。ワンコのアギーの熱演も笑えて楽しめて。
 

甦ったジョージとペピーがタップダンスで踊る最後のシーンは、キャブ・キャロウェイなど、コットンクラブの時代を彷彿とさせて・・・ゴージャス#59126;のちに登場する大スター・フレッド・アスティアなども連想させました。1920年~30年代って私にとっては、音楽もファッションも心地のよいツボ。元気なフラッパー女子たちが、髪をショートにして、ルーズで短めな丈のドレスを着て、歌い踊り・・・自由を謳歌する古き良き時代。

大好きな『Chee-Chee Girl』こと、Rose Murphyが歌う
思いがけない一曲もありました。
 
Pennies from heaven~思いかげない幸運~』
私の好きな『棚からぼた餅』#59116;
★★★★☆