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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 ◎他人はひと 私はわたし [☆映画(Cinema)]

覚悟はしていたものの、それにつけても、メリル・ストリープが大爆走な映画だった。イギリス英語を巧みに操ろうとして、がなり立てたような語調になってしまったのかと思いきや、サッチャー本人があんな調子だったということか・・・。
老いて認知症を患うマーガレット・サッチャーが、亡き夫の幻覚(姿)を追いながら、その半生を顧みるという手法。少々硬いけど、味のある面白い作品だった。
 
鉄の女.jpg
食料品店の家庭に生まれ、父親に「他人は他人」と育てられたマーガレット。野心家の彼女だけど、親近感をおぼえたのは、私の家もFamily Business(自営業)だったので子どもの頃、「他人は他人、我は我」と言われていたから。
『他人はひと、私はわたし』
自信を持って生きる
それでいいんだよ!と、ポンと後押しされた感じがした。
 
理解ある夫・デニスの援けもあり、男ばかりの議員の中で孤軍奮闘、頑張るサッチャー女史。"英国議会=MAD HOUSE"の女性議員控え室のドアを開けたら、そこにはアイロン掛け台があり、古びたアイロンが一挺。これ、本当なの?。鉄の女と言われたのは、この「アイロン」から?それともギャグ?。邦副題の「鉄の女の涙」というのは、彼女が愛用する「パールのネックレス」~涙を連想させる真珠から、付けられたのかな?と思った・・・。
 
首相就任時のあいさつに、アッシジの聖フランチェスコの言葉を引用していたけれど、平和の祈りの文言は、「主よ、私を平和の道具にして下さい。」と始まるのだから、なんとも皮肉だ。
振り返れば、IRA、フォークランド紛争、 デモ、ストライキ・・・苦難な時代のイギリスの首相が女性だった。願わくば、政治家には、世の中をよくしたいという基本的な信条を持ちつづけてほしい。
 
ティーカップばかり洗っている主婦には、なりたくないと言っていたサッチャー女史が、映画の最後には、すすんでティーカップを洗っていた。幻覚の中で、「行かないで」というマーガレットに、デニスが「あなたは、いつも幸せだったじゃないか」と言い、去って行くシーンに泣いた・・・私の目からも、小さな真珠の玉のような涙が流れ落ちた。
★★★☆☆

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