映画館で、3Dメガネ#59034;を渡されると、童心に返った感じで、ワクワクした気分になってしまう・・・。でも、眼鏡の上からメガネ#59034;をかける私は、見え方が他の人と違うのではないか?とか、ずり落ちないかと気になったり・・・どうも、落ち着かない。2Dで十分なタチだけど、3D上映(吹替え)の試写会という機会を得て、楽しませてもらった。

イタリアのシチリアを舞台にした#58999;『ニュー・シネマ・パラダイス』的な「映画愛」にあふれた物語を、同じくイタリア系のスコセッシが、3Dという最新の魔法の映像を使って、映画の創生期を描き出した「オールド・シネマ・パラダイス」。

ヒューゴと冒険好きなイザベルが、パパ・ジョルジュの秘密に迫るべく発見した箱が、棚から落下。あーらま、まるで「パンドラの箱ね?」と思ったシーン・・・そして、サイレント映画のフィルム(オールド・シネマ)の中に、ルイーズ・ブルックスの姿も出てきたし・・・。スコセッシ自身が、ヒッチコックばりにカメオ出演(写真屋さん)して、ゲジゲジ眉毛が「天然3D」だったりする茶目っ気も・・・。

重苦しい色でおおわれたパリの空と駅の雑踏を行き交う人々。駅構内のカフェを中心に繰り広げられるシーンの数々も洒落たセンス。カフェで演奏するバンドがジプシースイング調で、ジャンゴ・ラインハルト風~いい雰囲気で、ご機嫌だった#59126;。

ヒューゴ役のエイサ・バターフィールドは、イライジャ・ウッドとジャック・ワイルドを足して2で割った感じだった。ジャック・ワイルドが『オリバー!』でドジャーを演じた時の不敵で物悲しい、あの眼によく似ていて、目のアップにドキッとした!!。似てるといえば、サシャ・バロン・コーエンが演じる、駅の公安が、フレディ・マーキュリーだったし・・・。

お行儀よく、出来すぎた映画という感じもしたけれど、スコセッシ監督の手により、創始者のジョージ・マリエスを通じて、「映画の真価」を問われたような作品だった。

★★★★☆