スサノオちゃん大いに暴る◆御嶽神楽◆ [☆舞台(Stage)]



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曽根崎心中(文楽) [☆舞台(Stage)]
文楽公演・夜の部『曽根崎心中』を観ました。

手代・徳兵衛と遊女・お初。 男の厄年25歳、女の厄年19歳~ともに重なる厄年とはいえ、昔の年齢は、数え年だから、23歳と17歳位かしら?。
若さゆえの純愛であり、悲劇であり、時代を越えた名作。
実話をもとにしているとはいえ、友人に貸した大金を返してもらえず、挙句に「証文にある判子は落としたもの。自分は押してない」と言い放たれる、情けない男・徳兵衛。お金で売られた身の上の女・お初。
今も昔も「金銭」にまつわる教訓・・・お金って怖い
舞台は、第一幕のあとに休憩をはさんで、第二幕「天満屋の段」から第三幕の「天神森の段」へと怒涛の如くなだれこむ訳だけど・・・。第一幕「生玉社前の段」では、人形遣いさんが全員黒衣さん。気のせいか、前座っぽく、感じてしまいました。あと、三味線と大夫の数やら、お座布団の大きさ、厚さとか細部もチェック・・・(相撲と同じく伝統ある世界の厳しさは一目瞭然。)第三幕「天神森の段」となると、大夫が三人、三味線が四人!!。熱を帯びた三位一体の業・・・道行の息を呑むクライマックスの心中場面は、物悲しくも美しすぎて、泣くに泣けず・・・ぐっと、感動してしまいました。(桐竹紋壽さんの代役で吉田和生さんがお初の人形役割をなさっていました。和生さんは、昼の部だけだと思っていたので、少し嬉しかったです・・・。でも想像するに、紋壽さんの、より艶やかで切なげだっただろう、お初が観られず、残念でもあり・・・。)
お初の着物(打ちかけ)が、散り逝く桜花のように、、五色に彩られて儚げさを増していました・・・。
(3月2日(水) iichiko音の泉ホール)
もう十五年以上前、辻村壽三郎さん(当時は、ジュサブロー)の人形「曽根崎心中」を渋谷の百貨店で、見たことがあります。もちろん、文楽で描かれている世界とは全く違ったものでした。でも、私の中で二人の人形が、鮮烈な印象を残し続けていることは確かです・・・。
海神別荘 [☆舞台(Stage)]
博多座で、坂東玉三郎特別公演
『海神別荘』を観劇しました。

ただ、もう感激!!
賞心悦目~美しいものに触れることは・・・すなわち、心の糧を得るが如く大切なこと。
玉三郎さまの高貴なまでに美しい「貴女(あなた)」 に見惚れてしまいました。
美しい海の底の世界では、『見栄と驕り』は必要ない。ましてや、愛を通わせた二人には、必要ないものではないかしら・・・と思いました。(コリント人への手紙(新約聖書)の愛の賛歌~愛は寛容で慈悲に富み、誇らず高ぶらないという歌を思い出しました・・・。)
ハッピーエンドなのに、思わず涙腺が緩みそうになりました。でも、泣き虫な私を泣かせては、くれませんでした。
泣かせようと思えば、いくらでもくどいお芝居ができる物語なのに、泣かせないところが憎く、潔いお芝居だったと思います。
「桔梗の公子」と「撫子の貴女」、秋の野に咲く花が、海底で美しく咲き誇っていました。 公子(中村獅童)の桔梗色にも似た衣装が面白かった・・・だって、足元がPlatform shoes~ロンドンブーツを履いていたから!!(笑)。
(2月7日(月)博多座)
八岐大蛇退治 [☆舞台(Stage)]
神楽会館で『松尾神楽』の公演を観ました。
会館がある清川町のお隣、犬飼町が最高気温37.9℃を記録して日本で一番暑かった、この日の演目は、「神遂」「柴引」「綱切」そして「岩戸」の計四幕。外気温に負けないくらい、熱気に満ちた舞台でした。
少しばかり太鼓がアップテンポかな?と思った演奏でスタートした「神遂」・・・須佐之男命のヤンチャ振りと神々のやりとり。須佐之男命の暴れ具合によって、各神楽座の個性がよく出るのではないかと思います。また、その神楽座の雰囲気がつかめるような感じがするので、私の好きな演目のひとつです。(今回は、敗北をあっさりと認める男気あるスサノオちゃんかと・・・。)
「柴引」は、観客と荒神との大バトルに会場が沸きました。観客を客席から舞台に無理やり引きずり込むわ、の大騒ぎ。三歳くらいの可愛らしい男の子には、流石の荒神も降参し、手を合わせて許しを請う始末。中央の席だったので、参加できなかったので、次回は是非、柴をゲットしたいと思います。
《初めて観た「綱切」は圧巻でした。》
面をつけていない舞人(須佐之男命)が、大蛇に見立てた俵を、真剣を用いて、ひと太刀でバッサリというもの。真剣勝負の厳しい表情や額から流れ落ちる一筋の汗などを目の当たりにすると、こちらも手に汗を握り、昂揚感が増してきました。息をのむ迫力!!凛々しくて格好よかった
「岩戸」は、賑々しく力強い舞人たちに見入ってしまいました。大柄な天手力男命の勇壮な舞姿が印象的でした。
昭和52年に県の無形民族文化財に指定されたという、「浅草流・松尾神楽」。その雄々しい舞姿は、古き伝授書「松尾神楽巻物」を基にしているそうです。
(8月22日(日)豊後大野市・神楽会館)
ところで、この公演で、司会者のお話から知ったこと。私が子どもの頃から親しんできた神楽(庄内・長濱)は、「大野系・岩戸神楽」から派生したものだということです。市内で執り行われる奉納神楽は、必ずと言っていいほど「八岐大蛇退治」の演目があります。舞台に花火の仕掛けをして、大蛇も花火を派手に噴きます。夏祭りの定番です~
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御嶽神楽~特別公演 [☆舞台(Stage)]
豊後大野市(清川町)の神楽会館一周年記念として『御嶽神楽の特別公演』がありました。
約一年ぶりの「御嶽神楽」のステージ、何度観ても、『優麗』の一言につきるものです。
【第一幕 高御座(たかみくら)】では、大国主神が、道化役の『*チャル(茶る:滑稽な言動をする)』になっていて、コミカルな動きで楽しませてくれました。この芸達者な『チャル』を、神楽座・楽長さんが演じていると後で知りました。(*チャル=チャリ(茶利)、地方によって呼び方が異なるのだと思います。)
お茶目なチャルさんが、観客に「シーッ(内緒だよ)」と・・・。
【第二幕 五穀舞(ごこくまい)】で、恒例のお菓子&餅まきがありました。お餅は無理でしたが、どうにかキャンディを一つゲットできました。縁起物なので、じっくり味わっていただきました(嬉)。
神楽会館 [☆舞台(Stage)]
昨年、開館した「神楽会館」では、豊後大野市内および近隣にある神楽座の公演が、ほぼ月一回のペース(最少)で行われています。
昨年は、国の重要無形民族文化財に指定されている『御嶽神楽』のほか、11月に『柴山神楽・奥畑神楽』、12月に『黒松神楽・細枝神楽』と、たいへん珍しい『棒術(西寒田神社・小倉木保存会)』の公演を観ました。(その一部を紹介します。)
【柴山神楽~神遂】
勇壮な舞とともに、お囃子のメンバーが楽しそうに演奏している姿が印象的でした。円熟味ある太鼓が会場を沸かせました。
【小倉木棒術保存会】
「エイヤー!」という元気な女の子の掛け声が響いた~「子ども棒術」
【西寒田神社棒術保存会】
棒術のほかに、「小道具術」~刀を持てない農民の珍技ともいえる武術。破れ番傘やご飯つぶの付いた大しゃもじが登場しました。「何をしておるのか」という問いに「飯とりに来ただけじゃ」(召し捕りに?)というユーモラスな掛け合いもありました。
【細枝神社~八雲払】
大蛇に見立てられた俵を須佐之男命が、本物の剣(真剣)でバッサリと切り倒してしまいました。
この会館へ足を運ぶたび、神楽座の方々がこの檜舞台での公演を心底楽しんで演じている様子が伝わってきます。そして、伝統芸能である神楽を愛し、伝承していく一途な姿に感動を覚えます。
会館の詳しいことはこちらをどうぞ→豊後大野市神楽会館
音楽家でもあるという著者が、全国各地の神楽を紹介した本。九州の神楽は「宮崎県(高千穂・銀鏡・尾八重)」と「長崎県(壱岐・平戸)」が取り上げられています。幼い頃からお祭りで「お神楽」に親しんできた私とは、随分と違う視点から「神楽」をとらえていらっしゃるのだな、と思いながらこの本を読んでいます。
- 作者: 三上 敏視
- 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
- 発売日: 2009/10/20
- メデ
- ィア: 単行本(ソフトカバー)
人形浄瑠璃「文楽」&人間国宝 [☆舞台(Stage)]
人形浄瑠璃「文楽」公演・昼の部に行きました。
演目は、「卅三間堂棟由来」と「本朝廿四孝」

人形が表現する女心の機微
女心や母子の愛や情を細やかに巧みに操る人形遣い、大夫の語りや節、太棹の音色で醸し出される情感の数々に魅了され、日本伝統文化の奥深さに感動しました 。

人形遣いの吉田文雀さんが出演された「本朝廿四孝」~"十種香の段"で八重垣姫は、後ろ姿で登場してきましたが、まるで人形に魂が宿っているかのように見えました。"奥庭狐火の段"では、狐に憑依され化身する姫の演技は圧巻でした。右手を腰にあて上半身を反らせ、演ずる文雀さんの姿は優美の一言に尽きました。これぞ、『技』というより『業』なのだなと思いました。人形浄瑠璃が三業一体(人形遣い・大夫・三味線)といわれる所以であるのだなとも・・・。
情熱的な「赤姫」~八重垣姫の打ち掛けや武田勝頼の装束も絢爛で素敵でしたが、「卅三間堂棟由来」~お柳が柳の精に戻る時の着物の柄・白地に柳の模様は、悲しみを秘めた可憐さがあり、とても印象に残りました。
(3月4日(木) iichiko音の泉ホール)
「人間国宝」の吉田文雀さん。昨年7月に同じホールで中村富十郎さんの公演「人間国宝~その心と技」を観ました。富十郎さんは今年で81歳、そして、文雀さんは82歳、一歳違いの人間国宝のお二人。公演の中で富十郎さんは、京都で終戦の日を迎えたときのお話など、笑いを交えてなさっていらっしゃいましたが、「技・業」を守り伝承していく真摯な姿に強く心が打たれました。また、『実るほどに頭を垂れる稲穂かな』という姿勢に感銘を受けたことを思い出しました。『人間国宝』・・・その名にふさわしい素晴らしい方々・・・機会があれば、是非ともまた舞台を観たいと思います。どうぞお元気で、ご活躍くださいますように!!
御嶽神楽 [☆舞台(Stage)]
九州でも神楽の盛んな大分県において、豊後大野市に神楽会館が建てられました。その神楽会館の一般公開が、同市清川町にある「御嶽神楽」の公演でした。
「御嶽神楽」は、2007年に国の重要無形民族文化財に指定された、大分県を代表する神楽です。
今回の演目は「神逐(かみやらい)」、「五穀舞(ごこくまい」、そして、「天孫降臨(てんそんこうりん)」の計三幕でした。

「神逐」では八岐大蛇退治の須佐之男命が八百万の神たちに乱暴をはたらき、ヤンチャ振りを発揮するというコメディータッチの神楽。 こんな性分だから大蛇退治で実力発揮できるんだなと「荒ぶる男」=須佐之男命像が納得できました(笑)。

五穀豊穣を祈願して大祭などでよく舞われるという演目なので、目にしたことがあります。(神社の神楽殿ではお菓子や餅まきがあります。)今回は、演舞者が客席へ降りて手渡しでお餅を配ってくださいました。運よく通路側の座席だったので、縁起物の紅白餅を頂くことができました。

第三幕 天孫降臨
「御嶽神楽」の魅力は煌びやかで勇壮、また優雅に舞う姿にあると思います。一般の神社で行われる奉納神楽とは一線を画して格式の高さを感じさせているといっても言いすぎではないと思います。
大太鼓のバチは普通見かけるものとは違って少し細くて長く、どうやら手作りのようなバチに見えました。それを何本か使い分け、また一幕ごとに太鼓の叩き手が交代しました。力強い太鼓のリズムは素晴らしいもので、これこそ神楽の要となる音なのだと思いました。そして、伝統文化の保存継承に尽力される神楽座団員の方々、また若い団員の誇り高い姿に深い感動を憶えました・・・。
(7月25日(土)豊後大野市・神楽会館 )
ローザンヌ歌劇場オペラ《カルメン》 [☆舞台(Stage)]

オペラに行きました。我が家の台所事情では、たやすく"オペラ鑑賞"なんて贅沢はできませぬ。なんと!幸運なことにペアチケット(ロハです)が舞い込んで来たのです!。
《カルメン》は好きな女優さんのひとり、ファニー・アルダン演じるところの『永遠のマリア・カラス』でマリア・カラスがオペラ映画『カルメン』を撮るという~《カルメン》以来です。そして、オペラで観るのは初めてのこと。
開演前にサウンド・チェックしてたので、オケピ見学。読書してたり、弦楽器のお姉さんはナンプレ(数独)を解いていたりと和みムード、いい雰囲気~。
序曲・赤の背景に四人の闘牛士が磔刑の十字架下、祈りを捧げる絵画的なシーンで幕開け。最初はちょっとオーケストラの音が小さいのでは?と思いました。 もっと「血湧き肉躍る」を期待してたので・・(笑)。
衣装がシックでギャルソン風でもあり、いかにもロマ(ジプシー)というスタイルではなかったので新鮮。たばこ工場のシーンなどは、ラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』は、こんなのをヒントにしたのかな?と思わせるものでした。酒場のシーンはバレエダンサーがフラメンコを踊っていたので華麗かつエレガント。
カルメンの『ハバネラ・恋は野の鳥』、ミカエラの『何も怖くなんてない』どちらも甲乙つけ難い、素晴らしい歌声でした。
冒頭の闘牛士たちが、休憩後の第3幕=間奏曲で「闘牛士二人」と「仕立て屋」「刃物売り」に扮し、スロモーションのマイム劇を演じたシーンも印象的で素敵でした。彼らもバレエダンサー(ルードラ・ベジャール・バレエ学校)とのこと、きゃ~。(今度生まれかわった時は必ずダンサーの彼をつくる~!)
また、地元のアンジェルス児童合唱団が子役として出演して清らかな歌声を披露。少しぎこちない演技も可愛らしく、見事にこなしていました。かなり練習を重ねたんでしょう、立派でした。大分は豊後と呼ばれていた遥か昔、1557年の復活祭前のごミサで、日本初の聖歌隊が教会で(ラテン語だったのでしょうね。)歌ったという西洋音楽発祥地とのこと。そんな遺伝子を持っている子供たち~BLAVO!
見ごたえたっぷりな生オペラを堪能いたしました。ところで、男の嫉妬はホントこわいですね。
(10月22日(水) iichikoグランシアタ)