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ブレス [☆映画(Cinema)]

キム・ギドク監督の『ブレス』DVDで観ました。『悪い男』以来、ギドクの作品に惚れ込んでいる私。『春夏秋冬そして春』は、映画館に二度足を運んだ。

映画館で観たのは『うつせみ』まで。地方の上映事情もあり、残念ながらこれからはDVDでフォローということになりそうです。

キム・ギドクは、台詞の少ない映画が多いと感じるんだけど、この作品はチャン・チェン(死刑囚チャン・ジン)が話せない状態になるシーンから始まるので、全く台詞なしという難しい役。彼の眼光鋭い演技が冴えていたのでは?と思うのは、惚れた弱みもあるかしら・・・。

ブレス [DVD]

ブレス [DVD]

  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • メディア: DVD

死刑囚と、彼にちょっかいを出す人妻とその夫 『ラストタンゴ・イン・パリ』のような男女関係。はたまた『蜘蛛女のキス』のような投獄生活のなかの愛情関係。そして刑務所の保安課長の弄ぶかのような視線と息遣い(ブレス)。

私好みの風変わりなラブ・ストーリーでした。

春夏秋冬のあと、それぞれに再び春は訪れたでしょうか?。夫の浮気により不仲になった両親の顔色をうかがっている小学生の娘。元々冷え切った家庭に育ったためか、本当はひょうきんでお茶目さんなのに、母親には別の顔を見せていた・・・。そんな子どもの微妙な描写までもが計算されているかのような面白い作品でした。そして、何より彼の独特の色彩世界はまたもや「切り取りたい数枚の絵」でした。

ジャンリュック・ゴダールが『ゴダールの映画史』の中で、トリュフォーの映画は「クリムトの絵のようだ」と云ったけど、キム・ギドクは、エゴンシーレの絵に近いと思い続けています。(『悪い男』でエゴンシーレの絵が登場したように・・・。)昔、下関市立美術館で「クリムトとエゴンシーレ展」を見た頃はクリムトの方がずっと好きだったけど・・・。今はどちらも同じくらい好きです。言い換えると、クリムトに憧れるエゴンシーレにも似たキム・ギドクでしょうか・・・。

ラストシーンは、コンテンポラリー・ダンスのように美しく、どこまでもアートだった・・・。

カン・イニョンという俳優さんを知りました。好みのタイプなので要マークです。あと、もしや彼ではと思った役柄もありました。のちに監督だと判明、やっぱりね~♪。


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